なんでそこまで食べたいものが多くあるんだろう?

共通の友人をもつ友人に言われたことがある。記念の品としてプレゼントするんだから何か形として残るものがいいんじゃないか?と・・・実は僕はそのときある食べ物を送る事を提案していたのだった。その僕の提案に対する友人の反応がそれだった。僕は強く反論することもなく彼の意見に同意して、彼にプレゼントの選択権を一任したのだった。が、内心は全くと言っていいほど同意してはいなかった。食べてみて心の底から美味しかったと思えるものは一生忘れないものだというのが僕の考えだ。現に僕が過去に食べたステーキの中で今でも最高に美味しかったと思える福岡の城南区で食べたステーキの味は今でもはっきりと脳みそに刻まれている。食べたもの、美味しかった記憶というのは絶対に忘れないと僕は信じている。その経験があるから本当に美味しいものをプレゼントして、その相手がその味をとっても素敵な記憶として残してくれたらどんなに素敵な贈り物になることか、それは形として残るほうがいいという僕のあまり親しくもない友人には決して受け入れてくれない思いかもしれないが、でも僕はそう信じている。

「あぁこれ食べてみたいわぁ」リビングでテレビが紹介する「お取り寄せ」の紹介番組を観ていた嫁さんが言う。
「え?何?」とっさのことで一瞬、もたついたが、『なぁ〜んだプリンか』などと決心否定的な言葉は発しない。これは自分の中で確固として決めたルールなのだ。決して嫁さんの意見に対して一発目の返事として真っ向から反論しない。結婚して何年目かの夫婦喧嘩のあとに悟った対処術だ。不意をくらった時に使う返事は
「え?何?」が一番妥当だ。するとテレビが紹介するプリンの原材料から始まったタレントのコメントが終わるとすぐに
「あぁ食べてみたい、どこで売ってるんやろ?」お取り寄せだからネットで注文するほうがいいのではないかという提案はせずに
「美味しそうだね」とだけ笑って返す。するといつもの事ではあるのだけれど、僕の不甲斐なさに対して不浄な攻撃が始まるのだ。
「あんたもさぁ、いろいろ出張してんからたまにはこんな美味しいもんとか買ってきてほしいわ」
「あはは」としか返事のしようがない。
「ほんまいっつもアホのひとつ覚えでおんなじものしか買ってこぉーへんよね」いつのまにか美味しいプリンのお取り寄せの話題が理不尽な僕への口撃に変わってしまうのだ。我慢、ガ・マ・ンだ。

それにしても女性というのはどうしてこうも食べてみたいものが次から次へ出てくるのか?テレビはもちろん、SNS上には「映え」と称して未知なる食べ物の品評会のオンパレードだ。それを見て一喜一憂できるのはきっと女性だけの特権なのかもしれないなと嫁さんを見ていて僕は思う。次の出張の時には少し気の利いたお土産でも探してみようと思う。

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