タイ米でしかもジャスミンライス
少し疲れて直帰した。ここ数日の深夜までの用事で疲れ切ってきた。年々体力の低下を実感するときが増えてきたなぁ〜正直な感想だ。帰宅してすぐにキッチンで何やら夕食の準備をしている嫁さんに「ちょっと寝るわ」とだけ声をかけて寝室のベッドに飛び込んだ。気持ちいい、この寝る直前のわずかなひと時が大好きだ。そんなフワッとした全身の感触を持続する間もなく寝落ちしてしまったようだ。疲れが抜けない。
目が覚めた。最近はiPhoneの目覚ましよりもすっかりApple watchにお世話になっている。寝る時もずっと左腕の付けたままだ。見ると7時を少し過ぎていた。意外とシャキッとしている。ベッドを抜け出してリビングに行くとテーブルにミニトマトと輪切りにしたゆで卵をのせたサラダとフォーク、スプーンがセットされていた。リビングに入ってすぐに少し変わった香りに気づいた。ほんの一瞬だったのだけれどフワっと香ってきた。「何だろう?」特段気にも留めずにテーブルについた。
良かった。さほど機嫌は悪くなさそうだ。と言うより機嫌がいいみたいだ。帰宅してすぐに満足な会話もなくベッドに沈んだ僕を今日は咎めるつもりはないらしい。二日酔いを続けてのベッドダイブではないことを理解してくれていたようだ。僕がテーブルにつくと同時にキッチンの方へ立って行った。そしてすぐに笑顔で戻ってきた。
「今日はカレーだよ」自信ありげなドヤ顔だ。
「し・か・もぉ〜ジャスミンライス」そう言うとまたキッチンへ戻っていった。すぐにもう一つのお皿によそったカレーを持って帰ってきた。
思い出した。先週のことだ。一緒にテレビを見ている時だった。映し出されたカレーのシーンで僕が言った一言「あぁ〜カレー食べたいなぁ」きっとその事を覚えてくれていたんだ。そう言えばこの前の週末に買い物した時にリンゴも買い込んでいたっけ、さっき帰宅した時に見た後ろ姿で何かチカラ作業をしているように見えた。きっとリンゴをすりおろしていたんだ。
「ありがとう:)」
「僕の事をずっとさりげなく気にかけてくれているんだ。」
ジャスミンライスのリンゴがいっぱい入ったカレーを頬張りながらそう心の中で嫁さんに今日も感謝する。