中断されてイラっとしても、もう大丈夫だぁ〜
ハッと気づいて身をただそうと自覚しのはついこの間のことだ。自分的には少しづつではあるけど、嫁さんに優しく接しようという心の底から響く自分の声をちゃんと聞き取れている気がしている。例えだけれど、出張先などではお客様と一緒に会食をした後にホテルに戻ってからパソコンを立ち上げてメールの返事をしなければならないサラリーマンの悲しい事情は多々発生して嫌気がさしてくる。二次会のスナックでカラオケを散々歌いまくったあとなどは尚更だ。そんな時でも僕は必ずホテルに戻ったことを心配してくれているだろう嫁さんへ『お願いだから返事が来ませんように』と思いながら、でも、ちゃんとホテルに戻ってきたよ、忘れてないよという思いを込めてラインを送ったりするのだ。そして白けた面持ちのままカバンからパソコンを取り出して画面を立ち上げてメールをチェックし始める。と、ささやかな僕の願いをいとも簡単に打ち砕くように嫁さんから「おかえり」と返事がくるや否や「あの件どうなった」という趣旨の速攻質問が届くのである。『いやいや、それは明日でも大丈夫でしょ』とため息をつきながら既読にだけして、それはちゃんと見ているよという意思表示を理解してほしいけどそれよりも先にカラオケ中も少しだけ気になっていたメールをチェックし始めていると「寝たの?」と催促のラインの着信がくる。『起きてるわいッ』と、するとそこからはイラつきモードが全開に始まるのだ。
それがどうした事だ?いざ自分が嫁さんに対して優しくできていないんじゃないか?それでいいのか?と反省をして心にしっかりと優しくする自然とそうなれるようにすると心に誓ってからは、そのイラつきが不思議と感じなくなっているのだ。イラッとするかそれとも優しい気持ちで心から嫁さんの問いに応えようとするだけで何かしら余裕ができるのだ。不思議だ。
今日、実は僕は東京の品川のホテルに泊まってこれを書いている。今日は幸いなことにお客様との会食はなかったのだけれど少し込み入ったメールのやりとりをしながらレポートを仕上げるといったヘビーな時間を過ごしていた。ちょうど佳境といったタイミングで嫁さんから買い物先でのちょっとした出来事を知らせてくれるラインが届いた。
「白菜を買いにきたけど、高っかぁ〜い!」びっくり絵文字にスーパーで売られている白菜の写真が添付されていた。ややこしいメールのやり取りとレポートに集中しているなかで瞬間で嫁さんモードに引き込まれてしまう。以前の僕であれば既読にはして一言二言の味気のない返信をしていたはずだ。最初のその返信をみて嫁さんは感じ取るだろう。そっけない返事だなぁと・・・それから「豆腐は絹ごし?それとも木綿?」鍋を想定しての材料選びをしているのだろう。
「絹ごし」とだけ返す。その時点で僕のイライラし始めている気持ちを察知してかそれ以上のラインは来なくなるのだ。それが今までの優しさを自覚する前の僕だ。
それがどうだ!ややこしいメールとレポートの中でテンパっている状況下にあっても
「高ッ!絵文字」と返せる余裕が生まれるのだ。豆腐においては、基本僕は絹ごしなのだが、当然嫁さんもそれは知っている。知ってくれている上で
「木綿のハンカチーフにハートマーク」といったギャグでラインを返したりしている。どうしたことか?自分でもおかしくなる。かと言って頭の中でのややこしいメールやレポートのことを蔑ろにしてしまっているわけでないのだ。そこに驚くのだった。確かに僕は変わろうとしてる。嫁さんに本当に優しい存在、旦那さんでいたいとそう思い始めているのだ 🙂